Archive for the ‘つれづれ日記’ Category
大盛況に終了!『希望の祭典in大阪 がん治っちゃったよ!全員集合!』
大盛り上がりのうちに無事終了しました!
お越し頂いた300名以上の方は、色んな想いを持たれて参加されたと思います。がんをお持ちの方とそのご家族さんたちの想いというものは、並々ならぬものがあるはずです。
その方々をお迎えして、ご案内して、一緒に泣いて、笑いまくって、体もたくさん動かして。
これまで2度は観客として参加、そして今回はスタッフとしての参加です。
スタッフさんたちは40名ぐらいは居ましたが、みなさん素晴らしいおもてなしとチームプレーをされていました!
そして、私はホール担当だったので有り難いことに全ての講演を聴かせてもらうことができました。
それぞれの方のお話に希望とチャンスと学びが満載でした。
個人的に特に心に響いたメッセージや気づきを挙げておきます。
・病気治しに夢中になるより、今を幸せに生きましょう。いまを幸せに生きているうちに、いつのまにか病気が消えていることがあります。
・病気は罰ゲームではありません。これからどう生きていきたいかを考えてみましょう。
・病気があっても幸せで居ていい!!病気イコール不幸は単なる思い込み。病気を持っていても幸せでいることを自分に許可しましょう!
・がんは慈悲深い。2,3日で命を取られるわけではない。余命をそれだけしかないと捉えるか、生きられて有り難いと捉えるか、、。もっとも、余命宣告は医者の経験プラス思い込みで、外れることも沢山あります。
・簡単に体を動かすだけで体が変わることがある。
・体の温め方は、乾燥生姜や三井式温熱療法、ドーム、半身浴、筋肉をつけるなど、様々ある。
・がんを持っている人は、心と向き合うことがとっても大事。今生きていることを感謝して喜び、ブレーキになっている感情を解放するといい。ビジョンを描くこともよい。過去に、未来にと、意識を取られて今を見失わないように。
これ以外にも色々と思うところがありました。
いかに深刻さから抜け出るか。ここが鍵だと思うのです。以前は深刻だと思っていたのに、色んな見方を知って、覚悟もして、今を生きていることの有り難さや幸せに気づき、希望も見つける。そうして意識が軽くなって深刻に思わなくなるとき、その問題は問題ではなくなっていると思うのです。
また数人の懐かしい方ともお会いでき、看護師であり医療ジャーナリストの赤岩さんからは、医療甲子園のお話を頂きました。
医療甲子園に出るには、もっともっと、感動を生む医療をしていかないといけませんね。しっかり課題を頂きました。
いずれよ、私も沢山の元気と勇気をもらえたイベントとなりました。
「自分は素晴らしい。周りにいる人たちも素晴らしい。既存の枠を超えて、もっとみんなで遊べば、凄いことができるよ!」
イベントはそんなことを私に伝えてくれたように思います。
クリニックというハコで、病気のことばかりじゃなくて、みなさんが健康で幸せに生きられるように、もっともっと、みんなで遊んでいきますね!
これからも応援よろしくお願いします。
『にしかわ先生へ』
ある女性患者さんから頂きました。
人間、いくつになっても変わることができますね^^=
患者さんの数が最多になりました。
今日は午前の診察で受診された方が41名と、過去最多を記録しました。
皆さんがお元気であるのに越したことはないですが、癒しの杜 にしかわクリニックを選んでもらえるのは有り難いことですね^^=
新患の方も8人と多く、その方々の年齢は生後2ヶ月の赤ちゃんから94歳のおばあさまと、とても幅が広いです!
これから風邪やインフルエンザ、胃腸炎などが流行るかもしれませんが、皆さん、たくましく、よい年末をお過ごしくださいね☆
「あべの子育て情報 ままちっち」に載せて頂きました。
「あべの子育て情報 ままちっち」というフリーペーパーでクリニックのクチコミをご紹介頂きました。
白衣を着ていないお医者さん。丁寧で気軽に質問できる雰囲気、と紹介して下さっています☆
紹介して下さったお母さん、ありがとうございます!^o^
当院はお子さんの来院数も以外と多くて、9月の3歳以下のお子さんの受診数を数えていたら、1ヶ月で30人弱でした。冬場はもっと増えますね。
このフリーペーパーは阿倍野区で子育て中のママやパパが編集して6000部発行しており、区役所や区民センター、図書館などに置いて下さるそうです。
子育て中の地域の親による、地域の親のための情報誌、といった感じで良いですね〜^^=
予防と養生力アップに力を入れていく。
今日は診察の一コマとたまたま見たテレビがリンクして、表題に書いたことに本腰を入れるときが来たことを知らせてくれました。
診察の一コマというのは、お子さんの風邪が治りかけていたのにまた咳と熱が出てきた、と訴えて小さいお子さんを連れてお母さんが来院されたことです。
これまでもお子さんの風邪でよく来院されていて、一週間前にも風邪症状で来院されていました。それまでにも一度は気管支炎で総合病院に紹介して入院になったことがあり、それ以外にも少し熱性痙攣があったとのことで、お子さんの病気にはかなりナーバスになっておられる状態でした。
一人目のお子さん、ということも不安を増大させる一因だと思います。それに、核家族なのか、詳しくは聞いていませんが、周囲に相談できる家族も少ない印象でした。
これまでは気管支拡張薬、抗アレルギー薬や去痰剤などを混ぜたシロップを処方したり、場合によっては抗生剤も処方していました。お母さんの不安に応えようとすることや、「危ない疾患から考える。」という救急での癖からついつい、薬中心の診察になってしまっていました。
しかし、今回は一週間前に風邪で来院されており、風邪が治ってきた過程での咳と発熱とはいえ、活気は非常に良好で印象としては経過観察で問題ない様子でした。
さすがに、このままでは病院に頼るだけでこの子はたくましくは育たないし、お母さんの自信も芽生えない、と思ったのです。
そこで、今日は色々とお話をしました。
風邪にかかることを繰り返しているうちにじょじょに免疫力がついてくること、ぐったりしたり呼吸がおかしくなったりといった異常があればすぐ病院に来るべきだが、風邪では家で養生するだけでもよいこと、お母さん自身の感性を信じて子どもが頑張れるかどうかをある程度見極められるようになってほしいことなど。
資料もいくつかコピーして、根菜類の味噌汁で身体を胃腸から温めて免疫力を高めるとよいこと、大根とりんごのすりおろし汁はお子さんでも比較的飲みやすくて熱が高いときに下げる効果もあることなどを説明しました。
熱性痙攣の再発を心配されていたので、高熱時の解熱剤を処方し、いざ痙攣が起きたら手持ちの座薬を使うことを説明しました。甘麦大棗湯という漢方が熱性痙攣に効果があるのですが、今回は診療中に頭に浮かばず処方しませんでした。
一人目のお子さんで不安がいっぱいでしょうが、お母さんもじょじょに成長していかないと、と思うのです。
それに、お子さんの病気をいたずらに怖がることはしないで、外でよく遊ばせて抵抗力と体力をつけていく必要があります。
こういう予防や養生のことは、大人の方に対してもできるだけ診察でもお伝えしているようにしています。
糖尿病の方への食事と運動の指導はもちろん行っています。食事については患者さんの強いご希望で糖質制限をしたケースもあります。
2ヶ月程度で特に副作用はなくA1cが7%台から5%台にすっかり寛解しましたね。途中、飢餓状態になれば現れる尿ケトン体という検査はずっと陰性でした。 この方は脂肪合成の力が高かったと同時に、脂肪燃焼能力も高かったのだと思います。
食事については他にも、例えば早食いの方には箸を置いてしっかり噛むことを指導したり、麺丼定食をよく食べる方には炭水化物の合わせ技はやめるよう指導したりします。
また、乳製品の過剰摂取で腸内環境が荒れている方やには乳製品を控えるように指導しますし、白砂糖の過剰摂取で同じく腸内環境が荒れたりビタミンとミネラルの欠乏状態に陥っている方にはそれを指摘して白砂糖の摂取を減らすよう指導します。
運動についてはウォーキングを勧めることはもちろんですが、朴忠博先生の漢方体操や津田啓史先生の進化体操を参考にして、腎を強め水毒を改善する体操を実技指導したり、自律神経を整えつつ背骨から体の幹をほぐす体操を指導したりしています。
心の指導については、自らの体を動物ケアして愛情を充電することをお勧めしたり、固定した視点を切り替える観点を提供したりもしますし、漠然とした不安に意識が固定している方には呼吸に意識を置くことを勧めたり(数息観やマインドフルネス瞑想)、意欲低下に対しては脾を強める運動を指導したりと、体からアプローチする指導も行っています。
不眠の方には漢方の補助療法や睡眠リズムを調える薬の処方も一部では行いつつ、朝日を15分以上浴びること、日中にしっかり体を動かすこと、夜のブルーライトを避けることなど、自律神経を調えることなどを各人の生活に沿いながら指導しています。
でも、こういうことを伝えていても、本当に治りたいと思っていない方は、延々と病気を再生し続ける無限ループを周り続けておられます。
何度診察しても変わることはありません。
開業して早7ヶ月が過ぎ、そろそろこういう一向に進んで行かない無限ループからは卒業したい気持ちが一層強くなっています。
そんな折、たまたま見たNHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で、虫歯の予防に人生をかけている歯科医と、それを見習って一念発起して開業した歯科医の先生がクローズアップされていました。
患者さんから反発されながらも患者さんの人生全体を考えて、虫歯の予防に一生を賭けている熊谷先生。
熊谷先生の教えを実践しようとしつつ、高い自費の検査費用や手間のかかる予防指導のハードルが高くて、診療スタイルに迷いを持っておられる新規開業の先生。
結局新規開業の先生は、熊谷先生と再会して、予防に力を入れることを再度決意し、迷いを抜けたようでした。
この開業医の先生の姿を見て、自分の診療の信念は何かを再度自分に問うて見ました。
自分の診療の信念、それを言葉にしてみると
患者さんが笑顔で幸せでいること。
そのために、クリニックのそばにある楠の大木のように頼れる存在であり続けるし、
太陽のように温かい存在であり続ける。
そして、病気の根元にアプローチして、いのちの根っ子から元気な人を増やし
自分も患者も病気や問題に学んで共に成長し、ますまず輝く人生を歩んでいく。
できれば医学を超え、大地とのつながりの回復、意識の自由さの獲得、感性と養生力の高まり、
与え合う関係の構築、そういった意識の進化のフィールドを提供していきたい。
そういうことなのです。
まだまだ理想を実践するには時間がかかりそうですが、一歩ずつ歩ませてもらっています。
アトピーは脱ステロイド、脱保湿剤でツルッと治る。
自然なお産の吉村医院で出会った産婦人科医の館明日香さんが企画し、愛知の超素敵な『のいちご子供園』が主催してくださった今日のアトピーの勉強会は、非常にインパクトがありました。
脱ステロイド、脱保湿剤で赤ちゃんも大人もつるっと治ってしまうこの不思議。
でも、ステロイドをやめたときに炎症が強くてとても痒いのが結構高いハードルですね。
赤ちゃんのアトピーを治療する佐藤美津子先生も大人の難治性アトピーを治療される佐藤健二先生も、ステロイドをやめるときは基本的には段階的に減らしていかれるそうです。
段階的にしても、やめたときの一時的な悪化は起きるので、やりとげるには治ることを確信すること、家族の理解を得ること、理解ある医師にサポートを受けることなどが必要ですね。
赤ちゃんで危ないのは、母乳育児に固執して体重減少や脱水が起きること。
全身がジュクジュクしてタンパクの喪失が激しいのに、疲れたお母さんが母乳だけで育てることにこだわり続けると、脱水、低栄養、電解質異常などの危ない状態になることもあるようです。
むしろアトピーの赤ちゃんのステロイド離脱では栄養が大事なので、早めの離乳やミルクがよいそうです。
これも目からうろこですね。
もちろん、アトピーにはよくても、よく言われるように食物アレルギーや喘息などのアレルギー体質になる可能性は、ありますが。
当院でも堺市の佐藤先生ご夫妻と連携しつつ、心理ケアや漢方補助療法も行いつつ、アトピーの脱ステロイド脱保湿治療をしていこうと思います。
今日のまとめ、佐藤美津子先生の分をアップしますね。
これからアトピーの勉強会に行ってきます。
これから名古屋でアトピーの勉強会に参加してきます。
アトピーはアレルギーではない!との説を述べられ、脱ステロイド、脱保湿を提唱されている大阪の皮膚科の佐藤健二先生、小児科の佐藤美津子先生ご夫妻のお話を聴けるので楽しみです。
IgEは関係ない!という話は目からうろこです。ぼくは現時点では、関係ないとは思っていませんが。やはりアトピーは複合的に色々な要因が絡んでいて、アレルギーの寄与する割合は高いのでは、と思っています。
それから、佐藤ご夫妻は、近年アトピーが大人になっても治らなくなっているのは、ステロイド治療が原因である、とおっしゃっています。
これには賛同しますが、ただ小さい子供さんで思いきって急にステロイドをやめると、一時的に相当悪化をしますので、ぼくはまだそれは気軽には勧められないですねf^_^;
でも、お母さんの心のケアや生活の指導、お母さんとお子さんへの漢方での心身のサポートなどを統合的に行うとなんとかなるのかもしれません。
そこは症例の豊富な佐藤ご夫妻のお話に素直に耳を傾けてみようと思います。
ご夫妻のご著書で、漢方についてはQ&Aで高い自費の煎じ薬のことだけを取り上げていて、「あまりお勧めできません」、と書かれているのはとても残念です。
肌の炎症を抑えたり、排膿を促したり、乾燥肌のかゆみを取ったりして皮膚に働きかけるものもあれば、体力の基礎となる脾を補ったり、体の内側の冷えをとって熱のバランスを調整したり、気持ちのイライラを改善したりとよりアトピーの原因に働きかけるものもあって、漢方はアトピー治療に大変有効です。
特に、脱ステロイドでの一時的な炎症と痒みの著しい悪化や不眠、イライラ、不安などには積極的に使う方がよいのではないかと思っています。
あと、保湿剤も漫然と使えば逆に慢性的に炎症を起こすことがあったり、肌の自然治癒力が下がる、という話も目からうろこです。
最近は皮膚科の中でも佐藤健二先生の脱保湿(脱軟)理論は広まっているようですね。
さ、楽しんできます!
漢方薬を出すだけが漢方診療ではない。
昨日の午後は漢方の勉強会に参加して、薬をほとんど使わずに不眠症を治す、近畿大学解剖学教室の教授で睡眠体内時計外来をされている重吉康文先生のご講演を拝聴しました。
不眠症の治療では不眠症の治療薬を出すだけではなく、患者さんの生活のリズムと習慣全体を見て指導していくことが必要である、ということがよくわかりました。
講演の後は重吉先生や漢方界の重鎮である三谷和男先生、蔭山充先生、およびNTTでお世話になった堀江延和先生らと一緒にテーブルを囲んで活発な意見交換をしながら楽しく幸せな時間を過ごしました。
一人2時間かかることもあるという外来で睡眠障害を根本から改善することに患者さんと一緒に取り組んでいる重吉先生、毎月勉強会を開いて下さってる三谷先生、阪大の漢方外来の立役者の蔭山先生、そしてNTT西日本大阪病院の漢方外来で私に漢方の手ほどきをしてくださった神戸百年記念病院の堀江先生、これらの先生方の輪に入って色んな話をさせ頂けて、本当に幸せです。
その場で皆が同意していたことは、
漢方診療の基本は『一に養生、二に看病、三四がなくて五に漢方薬』ということです。
まずは養生の指導、診察でも薬を出す前にこれが肝心ですね。
もちろん、患者さん自身が「よくなりたい!」という意欲があることが前提ですが。
原点に立ち戻らせて頂き、感謝します^^=
完璧さしか見えません。
週1回、往診させて頂いているご高齢の女性がいます。
5年前に手術したスキルス胃がんが再発し、最近まで化学療法を受けられていました。しかしそれも限界に来て抗がん剤は終了となり、外科の主治医からは今年いっぱいぐらいでしょうと言われたそうです。
それで訪問診療と看護、介護で介入し始めたのです。
それにしてもこの女性、いつも眼差しに愛や喜び、安らぎといった徳が溢れているのです。
今日はお昼にちょっと食べ過ぎてお腹が苦しいと訴えておられましたが、骨盤や腰をマッサージさせてもらいながら、色んな話を聞いていました。
5年前に手術を受けたときのこと。裁縫の仕事をしていたので、頭の毛が抜けて困っていた方のために数十もの簡易な帽子を編んで、患者さんと病棟にプレゼントしたそうです。患者さんたちに大層喜ばれたのだとか。
そのことがあって、今でも病院に行くたびに看護師さんからそのときの話題が出て感謝されるのだそうです。
ここ1週間でも色々と感動的なことがおありだったようです。
たまたまヘルパーに来てくれた人が以前小学校で一緒に仕事していた方だったり。
ぼくが貸した『 招き猫川平君が教えてくれた 幸運の流れに乗る生き方 』という阿部敏郎さんの本がとても共感できて2回も読んでくださったり。キラキラとした眼で涙ぐんで感動したことを話してくださいました。この方自身、16年間飼っていた猫にがんを早期で見つけてもらって、救ってもらったんですって。
マッサージをしていると、いつの間にかお腹の苦しさは和らいだようです。
この方の目線は、正に一期一会。
やせてはいても、眼はとてもキラキラしています。
がんを治そうとする選択肢もあっていいと思いますが、この方の場合は今の生き方に完璧さしか見えません。
同じ体の状況でも、魂が救われている人は平安と共にありますね。
特定の宗教を信じているかどうかではなく、生きがいや希望があり、愛や喜び、感謝を感じて今を生きているかどうかだと思います。
反対に、生きがいや希望がなく、今目の前のことへの感謝と喜びがなく、過去の記憶の再生と苦痛だけに注意が固定していると不幸です。残念ながら、他に訪問診療されている方ではそのような方もおられます。
体が辛い状況になったり認知症が進んでも心が平安と共にいられるかは、もちろん周囲の温かいケアも大事なのですが、結局はいまをどう生きているか、これまでどう生きてきたか、どう人格や徳を高めてきたか、によるのだと思います。
有り難い出会いを頂きました。
※ご本人の許可を頂いて書かせて頂きました。
急な断薬にご注意!
ちょっと残念なことがありました。
先日、知り合いの眼科の先生からのご紹介で初老の男性がお見えになりました。
訴えとしては、最近アタマがボーッとするとのこと。
話を聞くと、糖尿病の薬を1ヶ月間自己判断で飲んでいないというのです。
これまで別の病院の内科にかかっていて糖尿病の薬を3種類がっつりもらっていたのに、知り合いから「糖尿病の薬は意識がなくなったりして怖い!」と言われ、怖くなってすべて飲むのをやめていた、というのです。
血糖値を測ると、470。
案の定、著しい高血糖でした。
入院は勧めても断固拒否!という方でしたが、その場は補液とインスリン投与で切り抜け、翌日には200台前半まで下がっていました。
でも、この方。
頭部MRI検査を受けてもらうと、左後頭葉に比較的大きな脳梗塞を起こしていたのです。
糖尿病薬が怖いというか、急に断薬して脳梗塞になる方がよっぽど怖いです!(ノ_<)
しかも、この方の場合に悲しいのは、これまでしっかり糖尿病の教育を受けられてこなかったことです。
コーラをがぶがぶ飲み、アンパンなどの菓子パンを間食し、運動はほとんどしない。
それがまずいということも全く教えられていない様子でした。
これで断薬したら、悪いことが起きるのは目に見えています。
糖尿病の薬を断薬するときは、インスリンの分泌が保たれていることを確認した上で、食事療法と運動療法をしっかり頑張ってもらうことを条件に、徐々に減薬していくことが安全です。
急にやめるにしても、せめて、利益と危険性は把握しておくべきです。
そして、できれば医学的に効果と危険度を評価してくれる医師のサポートを受けることです。
生活習慣病の改善における主治医の役割とはどのようなものでしょうか。
薬を敵とせず、利用しながら、自身でも生活を改善して頂く。
あるいは、患者さんが望む方向に向かうことを、医学的見地から根気強くサポートする。
主治医はそういう存在であるべきではないでしょうか。
私自身は、患者さんに伴走するつもりで一人一人に合わせて、薬の説明、患者さんの状態の評価、治療戦略の提案、生活上の改善点の指導などを根気強く行っていくよう務めています。
前半に取り上げた患者さんについても、生活習慣を改善してもらえるよう、あれやこれや工夫して指導して、少しずつ変えていってもらっています。
こうして頑張ってもらった先に血液検査でどんどん値が改善していき、体も元気になってきたことを実感してもらえたら、結構喜んでもらえるんですよね〜^o^
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