Archive for the ‘ケースレポート’ Category
【 時計の針を巻き戻すかのように・・・ 】
カウンセリングをしていると、時計を巻き戻しているかのように元気になる方がおられます。
大腿に肉腫(サルコーマ)という悪性腫瘍があった患者さま。
一時期は腫瘍により全身状態が悪くなり、全身麻酔の手術に耐えられないほど悪い状態でした。
局所麻酔で表の部分だけ切除し、その後まだ心身の状態が悪いときからカウンセリングを始めたのですが、数回カウンセリングを行い、今や心身ともに症状はありません。
もう別にカウンセリング要らないんじゃないですか?って思ったりするのですが(笑)、どうやら病気をやめて健康になったその先に探求していきたい世界がおありのようで、コーチングをミックスしたカウンセリングを受け続けて頂いております。
他には、子宮頸がんが進行していた患者さまで、大量自家血オゾン療法(大量自家血)と高濃度ビタミンC点滴、およびカウンセリングを受けて頂いている方。
症状がほとんど消えて、つい先日は久々にきちんと月のものが来たと報告をしてくださいました。マーカーが上がったりすることもあって、それはそれできちんと受け止める必要はあるのですが、どのマーカーが上がり、どのマーカーが下がっているのはどういう意味があるのかをほどき解くと解消するポイントがきちんとわかるんですよね。それから、マーカーだけではなくて、症状はどうか、内的な物差しで捉えて自分の状態はどうか、というのをきちんとチェックしてもらい、内的な物差しで物事を捉えていくことをしっかりとやっていただくようにしています。すべては自分が決める、というスタンスが大事ですね。
医療法人癒しの杜 にしかわクリニックでカウンセリングをさせて頂いている患者さんや、併用してオゾン療法や高濃度ビタミンC点滴を受けて頂いている患者さんでは、普通の病院とは違ってよくなっていく患者さんの割合は明らかに多いと思います。(症例が少ないので、明確に比較できないのですが。)
オゾン療法やビタミンC点滴はそれ自体もおススメですが、でも、やはりそれを受ける心の器がどうかによって、結果が全く変わってくると考えています。
問題を避けるためにそれを受けるのか、健康を取り戻したその先に目的があってそれを受けるのか
日常を「〇〇しなくちゃいけない」という義務で過ごしているのか、「〇〇したい。」という欲求で過ごしているのか
問題回避や義務で動いていると苦痛系が働き、目的意識や欲求で動いていると報酬系が働きます。
目的志向、というのは「未来の生きる目的を志向する」というのが基本形ですが、今を生きることに焦点を当てて、それを最高のものにすることでも脳の報酬系が働くと私は考えています。
「なんのためにそれをするのか?」ということを一つ一つ、チェックしてみてください。
「なんのために?」の答えが問題回避や義務であった場合、別に自己否定をする必要はないのです。
「あ〜、うまくいかないパターンをやっちゃってたな。また一つ気づくことができた。書き換えよう。終わり。」
と書き換えて前に進んでいけばいいだけの話です。
話が逸れましたが、抗がん剤や手術などの標準治療をするにしろしないにしろ、こういう心の器、脳の動かし方をチェックしていい状態にセットすることは非常に重要です。
興味がおありの方は、梯谷幸先生の『本当の自分に気づけば病気は消えていく』という書籍を一度お読みください。とてもわかりやすい本です。
しっかり調整を受けたい方は、西河がカウンセリングでサポートしますので、個別にご相談ください。
基本的には対面式ですが、遠方の方は出張の折か、オンラインでもカウンセリングをやってみることも提案できます。
11月は研修で東京に行く予定があります。
11月3日(土)、8(木)、15(木)あたり、東京でカウンセリングご希望の方には、時間を捻出して各日に1人のみカウンセリング可能です。
モノという手段に高額なお金をかけるのもいいですが、それをいい方向に働かせる心の器の調整は、何よりも効率的であると思います。
< 健康のさらにその先へ! >
< 病気を楽しくやめていく医療を標準に >
医師・いのちの再生屋
西河 潤
患者さんたちがどんどん穏やかになってきています。
クリニックを開院してから1年が経ち、よい結果もたくさん出ています。
心の面で安定して来られている方は多いですね。
たとえば、慢性心不全をお持ちで頻繁に通われているご高齢の男性の方。
もともとはかなり神経質で怒ることの多い方だったのですが、当院に通われて半年ぐらいしてからは人が変わったようにほんと〜に穏やかになられました。今では小さい子供と笑顔で戯れたりする姿も見られています。このクリニックに来るとしっかり親切にケアしてもらえるという、安心と信頼が確立されたのだと思います。
他にも、今日来られた60台のうつ病をお持ちだった女性の方。
昨年5月に当院に初めて来られた頃は、3種類の精神科の薬を飲まれていました。
来院されたときからかなり安定しておられたので、漢方を併用しつつ徐々に減量していきました。
今日はなんと、最近は漢方も含めて何も飲んでいなくても調子がよいとのこと。
「呼吸のことを教えて頂いたりして、とても落ち着いています。」と笑顔でおっしゃってくださいました。
順調に自立されて自信も出てきて、投薬終了!
でも、当院に来ると安心するとのことなのでこれからも月1回ほど遊びに来て頂きます。
この方はもう一つエピソードがありまして、今日、「娘もとってもよくなりました。ありがとうございます!」と嬉しそうに話してくださいました。
お嬢さまはぼくと近い年齢なのですが、冷え性や便秘症、偏頭痛などに悩まされていました。
でも先日お越しの際はぼくもびっくりするぐらい明るい表情で動きもテキパキしてお元気そうでした。冷え症は残っているものの、他の症状は随分軽減したとのこと。この方の体質に合わせて、スクワットを指導させて頂きました。
全員がよくなる、というわけにはいきません。
キーポイントは自立しようという気持ちがあるかどうかです。
不満や症状は毎回たくさんお話になる一方で、こちらが提案するような心の持ち方の話や呼吸法の練習などには無料でも全く耳を傾けないような方が時々おられるのですが、まずよくなりません。
だって、治りたくないんですもの。
そして、こちらが傾聴をずーっとやっているうちは依存関係が続きますが、依存関係をやめるように動くと、火花が散ります^^;
これはもう、仕方のないことだと思っています。
このようなケースは極端ですが、でも少しでも自立するお気持ちのある方であれば徐々にでも変化していきます。若い適応障害をお持ちの男性は、寝たままできる体操やセルフケアなどを根気強く指導して、徐々に心身の調子が戻ってきています。
これからも、私自身もクリニックに来られる方々も共に輝く医療を目指していきたちと思っています。
子供の夏風邪、ヘルパンギーナ。
お子さんの夏風邪の代表、ヘルパンギーナ。
当院でもよく見かけるようになりました。
結構高い熱が出てのども痛みますが、基本的には3日ほどしのげば熱は下がります。
当院ではアセトアミノフェンの処方に加えて、桔梗湯をよく処方しています。
桔梗湯をお湯にとかして冷蔵庫で冷やし、それでうがいをしたり、あるいは口に含んでおいてそのまま飲みこんでもらいます。
これが甘くて冷たくて、気持ちいいのです。
扁桃炎の炎症や咽頭痛、口内炎の痛みなどに効く漢方ですので、ヘルパンギーナの咽頭痛にも効果があります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140724-00000003-cbn-soci
『足の強いむくみ』
足のむくみで悩んでおられる方は多いと思います。
夜になるとむくんでくるという程度ですと、たいていはリンパの流れが悪くてむくみが出ていることや、いわゆる水太り体質、という方が多いと思います。
その程度ですと取り立てて心配する必要はなく、まずは生活習慣の指導や漢方薬を使って様子を見ることが多いです。
しかし、むくみがひどい方の場合、色んな疾患を考えて検査を行って原因を突き止めて治療にあたります。
先日、両足がむくんであまり歩けなくなった、という訴えで70歳台の男性がお越しになりました。
診察では両足の甲がパンパンに腫れていて熱感と痛みもありました。水虫がありヘビースモーカーでしたので、印象として心不全や腎不全からのむくみというよりは感染症か動脈の詰まりかな、という感じでした。蜂窩織炎という感染症か、あるいは閉塞制動脈硬化症(ASO。最近は末梢性動脈疾患:PADと言われています)の可能性も考えてすぐ近隣の総合病院の循環器内科に紹介しました。
すると循環器内科では幸いなことに、血管には異常がありませんでした、と返事が返ってきました。
そこで、ちょっと後手に回ってしまったのですが、一般的な採血を行いました。
すると、炎症反応や血栓、膠原病のマーカーは全く上がっていないのですが、カリウムが2.3と低下、アルブミンという蛋白が3.1に低下していました。また、赤血球が大きくなるタイプの貧血と、肝機能異常を認めました。腎機能は正常でした。(後日、念のための追加検査でKのバランスに関係するレニン、アルドステロンというホルモンは正常でした。)
基本的な採血の結果と生活習慣の問診から、むくみが起こるに至ったストーリーがはっきりとわかりました。
1日に缶ビールを6本飲み、まともな食事は1食。野菜はカフェのモーニングで少しだけ。
野菜・果物の摂取不足とビールの利尿作用により低カリウム血症となっており、きちんとした食事が少なくて低栄養状態のため低タンパク血症になり、これらからむくみが出ていたのです。
赤血球が大きくなるタイプの貧血も、ビタミンB群や葉酸などの栄養の摂取不足と喫煙による吸収障害を裏付けていました。
この方には治療としてカリウムを薬で補いつつ、飲酒量を減らすこと、1日2食しっかり食べること、野菜とくだものの摂取を積極的に行うことなどを繰り返し指導しました。
その結果、約2週間でカリウムは4.5と正常値になり、アルブミンも3.3まで少し上がり、むくみは大幅に改善しました。
これからは薬はなくして生活指導だけで様子を見ていけそうです。
むくみ、と一言で言っても、症状が強い場合はこのように色んな原因を考える必要があります。
ちょっとめずらしく?、純粋な内科のお話でした^^