【脂肪筋の解消で糖尿病の予防と改善を】

2015-05-24

5月22日、23日と下関の糖尿病学会に参加してきました。
そこで聴いてきた脂肪筋の話を参考に、脂肪筋を減らして糖尿病を予防・改善するという話をお届けします。

■脂肪筋はインスリン抵抗性を高める
お肉、乳製品(特にバターやマーガリン)やスナック菓子をたくさん食べて運動しないでいると、内臓だけでなく筋肉にも脂肪が溜まってきます。いわゆる霜降り肉の霜のように筋肉の外に脂肪が付くだけでなく、赤身の部分の筋肉の中にも脂肪が溜まっていくのです。このように脂肪が溜まった筋肉のことを脂肪筋といいます。
この脂肪筋が増えると血糖を下げるホルモンであるインスリンの効きが悪くなり、血中のインスリン値が高くなり、空腹時の血糖値も上がって糖尿病になるリスクが上がります。
脂肪が一杯の食事を食べて体を動かさないことを24時間続けるだけでも筋肉に脂肪が蓄積することがわかっています。
1日1万歩以上歩くような方は溜まりにくいのですが、3000歩以下という方は特に要注意です。

■脂肪筋を増やさない食事とは
筋肉に脂肪がたまると脂肪筋ですが、肝臓に脂肪が溜まると脂肪肝です。脂肪筋を増やさないためには脂肪肝を改善させる食事を参考にしましょう。脂肪肝は飽和脂肪酸を過剰に摂ると増え、ω3系の多価不飽和脂肪酸を摂ると減ることがわかっています。
飽和脂肪酸を多く含む食品の代表は、お肉の脂身や乳製品(バター、マーガリンやチーズ)、あるいはインスタントラーメンやスナック菓子です。ところで、健康によいと話題のココナッツオイルは確かに飽和脂肪酸が多いのですが、長鎖でなくて中鎖ですのエネルギーとして使われやすく、内臓脂肪になることはないと言われています。
一方、ω3系の多価不飽和脂肪酸を多く含む食品は植物油の中でも亜麻仁油、えごま油やチアシードオイル、魚の油です。魚の油はDHA,EPAとしてサプリや薬でも販売されています。
脂肪筋を増やさないためには不飽和脂肪酸を摂りすぎず、ω3系の多価不飽和脂肪酸を多く摂ることが大事なのです。

■脂肪筋を減らす運動とは
運動不足で増える脂肪筋を減らすには、有酸素運動を行って燃やす必要があります。脂肪筋を減らすためにお勧めなのは早歩き1万歩やスロージョギング30分です。ゆっくり歩くとカロリー消費は2分の1から3分の1に半減してしまいますし、脂肪燃焼効果が低くなってしまいます。大股で手をしっかり振って早歩きをしましょう。スロージョギングは早歩きから初めて途中から走り出しましょう。話しながら走れて軽く汗をかく程度で大丈夫です。スロージョギングはウォーキングより1.5倍程度のカロリーを消費しますので、心肺機能的に可能な方は効率がよくてオススメですね。なお、30分を15分2セットとか、10分3セットなど分けても大丈夫です。できればこれらの有酸素運動を週3回以上は行うようにしましょう。
ところで、沢山汗をかいてとても疲れるレベルのジョギングをすると、脂肪筋は逆に増えるそうです。しかし、脂肪燃焼はよくなり、インスリン抵抗性は改善するとのことなのでご安心ください。

■脂肪筋の解消で糖尿病の予防と改善を
質の高い油を摂り、有酸素運動をして脂肪筋を解消することで糖尿病を予防・改善させることができます。メタボの方や糖尿病予備軍と言われている方、あるいはインスリンの効きが悪い糖尿病の方はぜひ参考にしてください。

参考:順天堂大学大学院代謝内分泌内科学 准教授・スポトロジーセンター 研究員 田村 好史先生 口演『健康寿命延伸に対する運動と骨格筋代謝の役割』(第58回 糖尿病学会)

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